公務員試験の面接に成功するための鍵は何でしょうか?
社会人経験者が公務員試験の面接で合格するためには、特に注意すべき三つの落とし穴があります。これらを理解し、適切に対処することで、あなたのキャリアを次のレベルへと導くことができます。
本記事では、面接カードの重要性から転職理由の提示、さらには試験対策まで、合格への道を徹底解説します。公務員を目指す社会人経験者にとって、欠かせない要素を学び取ってください。
落とし穴1:面接カード
公務員試験の面接において、面接カードは非常に重要な役割を果たします。
ちなみに面接カードとは、一般的な転職で広く使われている履歴書と職務経歴書を足して2で割ったようなものです。
ところが、この面接カードは一般的な転職と異なり、公務員試験の面接において特別な意味を持ちます。社会人経験者であるあなたは、その重要性を理解し、適切に準備することが求められます。
公務員にとって書類は特別な存在
面接カードがなぜ面接で重要な意味を持つのか?
その背景から説明します。
公務員が作成する書類は、すべて「公文書」として扱われます。
これには住民への通知、広報誌、さらにはパソコンに保存したデータや付箋に記したメモまで含まれます。面接官である公務員は、これらの書類に対して責任を持っています。
したがって、「採用」という重要なシーンで受験者から提出される面接カードは面接官にとって、殊の外に重要な意味を持つことは明らかです。
面接カードとレストランのメニュー
面接カードはレストランのメニューに似ています。
例えば、ファミレスでメニューの写真を見て注文した料理が、実物と大きく異なる場合、客は違和感を感じます。これは「アンカリング効果」と呼ばれる心理効果が関係しています。
アンカリング効果とは、最初に提示された情報に人々が強く影響を受けるという現象です。つまり、面接カードに書かれた内容と面接時の話が異なる場合、面接官はカードの内容を「正しい情報」として捉え、話された内容に違和感を覚えることになります。
あらゆる文書に対して普段から責任をもって働いている面接官からすれば、そのアンカリング効果は企業の面接官以上に強く働くことは想像に難しくありません。
面接カードが不合格の原因になる3つの事例
公務員試験の面接において、面接カードは非常に重要な役割を担います。
しかし、不適切な内容は不合格の原因となる可能性があります。以下は、特に注意すべき三つの典型的な失敗パターンです。
1. とりあえず枠を埋めただけ
面接カードへの適切な記入ができず、とりあえず枠を埋めるような行為は、現に慎むべきです。
例えば、「志望動機」を各項目があったときに、政策名や取組みをただ列挙するだけの内容は、面接官にとっては既知の情報であり、「志望動機がない」と解釈されかねません。
2. 練られていない回答
自己PRや採用するメリット、取り組みたい仕事などの設問に対して、事前に十分に考えて記入しなかったことで後悔するケースが多いです。面接で修正した自己PRを話そうとしても、面接カードに書かれた内容と大きく異なる場合、アンカリング効果によって面接官に違和感を与え、不利な印象を残す可能性が高くなります。
3. 事実と異なる内容の記載
志望先に関する調査不足により、事実と異なる内容を記載することは致命的です。
例えば、「自治体の課題と解決策」に関する設問があった時に、既にその自治体が取り組んでいることを提案するような場合、これはリサーチ不足が露呈する事例となり、公務員としての正確性や信頼性を疑われることになります。
面接カードは”0次印象”
面接では第一印象が大切だという話はよく聞きます。
これには、「初頭効果(ハロー効果)」という心理効果も影響しています。では、面接会場に入ってからが本当の印象の形成段階化というと、実はそうではありません。
じつは、あなたが面接会場に入るより前に、既に面接官はあなたと出会っているのです。
それが面接カードだというわけですね。
面接が始まる直前に、面接官はあなたが提出した面接カードやエントリーデータに目を通しています。この段階で作られる印象が”0次印象”です。
丁寧につくり込まれた面接カードはそれだけで社会人として求められるドキュメンテーション能力を示すことにつながりますし、何よりも見てわかる資料によって、たった20分程度しかない面接の中で効果的にあなたの評価対象を面接官の目に届けることができます。
たった紙ぺら一枚、されど紙ぺら一枚です。
経験面が評価される社会人経験者にとって、面接カードは重要な資料であることは明白です。
公務員面接 突破のための鍵を手に入れる
7割以上の受験者が面接カード本来の効果を引き出せていません。
なぜなら「何を書くべきか」が明確ではないからです。
エンノシタではあなたの中にある評価対象を確実に取り出し、魅力的な形で面接官の目に届ける支援を提供しています。
期待できる効果は以下の3つです。
- 面接が始まる前に形成されるゼロ次印象を向上
- 社会人としての実務能力を形に
- 意図した方向に質問を導く
※アドバンスドコースとエグゼクティブコースが対象
※3 面接カード:自己紹介書や自己申告書など志望先によって呼称は異なるが、面接前に提出する書類またはエントリーデータを指す。
※受講者が作成した下書きをベースにして、面談を行いブラッシュアップを図ります。
自己PRの添削・ブラッシュアップ例
(面接答練の前)
私の強みは調整力です。
昨年に在庫を一括管理しているシステム を一新する機会があり、私の所属している部署が中心となってシステム移行に取り組みました。
その中で私は、新しいシステムに移行するうえで新設が必要な機能と修正が必要な機能の選定や、社内外の関係者との調整役を担っていました。スムーズに移行ができるように新システムの動作確認や使用した人へのヒアリングを行い、取引先と定期的に打合せを行うことで問題点や改善点を共有いたしました。費用面の問題もございましたので、必要に応じて譲歩や代替策の提案を行い、粘り強く社内外の関係者と交渉をすることで、双方納得できる折衷案を生み出すことができました。
結果として滞りなくシステム移行は終了し、現在も問題なく運用できています。(328文字)
(面接答練の後)
私はコストに妥協することなく、効果を最大化することができます。
昨年、在庫管理システムの更改があり、社内におけるシステム要件の整理と開発会社との調整役を担いました。
システムは多数の部署と社員が使用するため、できるだけ使い勝手がよく、機能に優れたシステムにしたいと思い、各部署からの希望要件のヒアリングを徹底しました。
ところが、社員から上がってきた要件が多くなったため、予算超過の懸念が生じました。そこで、関係部署と調整を行い、要件の優先順位付けを行いました。そのうえで開発会社に代案を提案したり、価格交渉を行い、予算内で社員の要望を可能な限り多く実現することができました。
新システムは社員からの評判も高く、月間60時間の業務効率化に寄与できました。(322文字)
※ご経験の詳細をお聞きしながら、事実をもとに年齢別の合否基準に合わせて添削を実施
※面接答練ではあらゆる質問への回答の添削・ブラッシュアップに対応
落とし穴2:転職理由
公務員の面接では、転職理由が非常に重要な焦点となります。
これは、公務員への転職は本質的に「異業種・異業界」への移行を意味するからです。面接官は、社会人経験者全員に対して「これまでのキャリアと異なる公務員職をなぜ選ぶのか」という疑問を持ちます。
そこで、転職者が必ず聞かれる質問が転職理由となるわけです。
過去に転職経験がある場合
例えば、30歳で既に2回の転職を経験している受験者がいれば、面接官は「なぜこの短期間で2回も転職をしたのか?」と疑問に思います。ここでの疑問は、その理由を深く知りたいという意味合いが強いです。
しかし、その受験者が転職理由を明確に説明できず、一貫性や価値観が見えない場合、面接官は「この人のキャリアビジョンが不明瞭だ」と感じ、採用に躊躇するかもしれません。
そのため、転職回数が多いほど、その理由を明確にし、キャリアビジョンを示すことが必要です。
また、場合によっては「あなたの転職の軸は何ですか?」といった、抽象的な質問が飛んでくることもあります。
そのため、転職した回数分だけ、転職理由は整理しておかなければなりませんし、その一つ一つの理由から一貫性、つまりキャリアビジョンが見えるような状態にしておくことが求めらのです。
初めての転職の場合
初めて転職する場合も、その理由は重要です。
たとえば、40歳前後で現職に約20年勤めていたとすると、面接官は「なぜ長年勤めた会社を今、退職するのか?」と疑問に思います。たとえ転職自体が初めてでも、その勤続年数に応じた強い転職理由が必要とされます。
もし仮に、転職理由が軽いものだと、「その程度の理由で長年勤めた会社を辞めるなら、うちに来てもすぐに辞めてしまうのではないか」と疑念を抱かれる恐れがあります。
公務員面接における転職理由は、単なる過去の経歴を語ることではなく、あなたの一貫性、目標、価値観を伝えるチャンスです。そのため、転職理由は丁寧に準備し、面接官に安心感を与えるような説明が求められます。
転職理由も評価される?
転職理由はともするとネガティブチェックのように感じている受験者も少なくありません。確かに面接官によってはそういった視点で、あなたの転職理由に注目していることもあります。
しかし、仮にそうであったとしても、話す内容や伝え方ひとつで、評価につなげることもできます。
なぜなら、転職理由は公務員面接の評価対象となる「適性面」に大きく関係しているからです。
弱点を強みに変えるコンテンツ
面接では、受験者が回答を整理する際に悩む質問が少なくありません。
その一つが転職理由ではないでしょうか。実際に、転職理由の伝え方を誤って、面接官に誤解や不安を与えて、深堀質問が続き、結果的にあなたの経験や強みを伝える機会が失われ、不合格になるケースもあります。
そこで、公務員面接の突破校では弱点を強みに変える支援を提供しています。
評価対象を確実に取り出すための優れモノ
面接で落ちてしまう真の理由はNG回答ではなく、ノーカウント回答です。
限られた時間の中の限られた質問のいくつかがノーカウントになることは評価の上限をどんどん押し下げ、やがて合格ラインを割ってしまいます。
そこで、エンノシタではあなたの中にある評価対象を取り出すためにワークシートを提供しています。
厳選した想定質問と連動しているため、効果的かつ効率的に準備を進めることができます。
さらに、取り組んだ後に、講師からフィードバックを受けることで、確実に評価対象を取り出していくことができます。(対象:エグゼクティブコースの受講者)
社会人合格者の参考回答集
思考を拓くための先人の知恵
人間一人が持てる力にはどうしたって限りがある。一人で考えることも大切ですし、それが大前提だけど、考えに考えて、もし良案が浮かばなければ?
そうした窮地に助けになるのが参考回答集です。
「あ!こんな切り口で話すこともできるんだ。」という新しい発見のために、頻出質問に対する合格者の参考回答を収録しました。
※回答を真似ることを推奨するものではありません。
落とし穴3:マッチング不足
公務員試験の面接において、落ちる原因の一つとして「マッチング不足」が挙げられます。
マッチングとは、自身がこれまで培ってきた能力や適性が、公務員に相応しいものであると、面接官に伝えることです。このマッチング不足が原因で起こる失敗例を3つに分けて説明します。
1. リサーチ不足
多くの社会人経験者は、中途採用であるために即戦力性をアピールしなければならないと考えがちです。
しかし、重要なのは、応募する自治体の仕事内容や課題についての深い理解です。自分のアピールに集中するあまり、志望先の情報を十分にリサーチしていないと、適切な回答ができない質問としては次のようなものがあります。
- 志望動機
- ○○市のの課題と解決策
- 取り組みたい仕事は何ですか?
- ○○市の魅力は何だと思いますか?
- ○○市の政策で興味のあるものは何ですか?
これらの質問に対応するためには事前のリサーチが不可欠です。
2. 回答が抽象的
面接官にとって、約8割の受験者の回答が抽象的に感じられることがあります。
そこで、「深堀質問」によって、面接官は受験者の具体的な経験を聞き出そうとするのですが、受験者はそのニーズに応えることができません。
なぜなら、面接官が求める「具体的」のレベル感を明確に把握していないからです。そもそも、具体的という言葉自体が抽象的に感じられることがあり、何を話せばよいか混乱することがあります。
さらに、面接官の質問自体が抽象的であることもあり、受験者を戸惑わせます。
例えば、過去に複数の職場で働いた経験がある受験者が、「これまでの経験が公務員にどのように活かせますか?」という質問に対して、どの職場の経験を話すか迷ってしまうことがあります。このような状況では、具体的な経験を伝えることが困難になり、面接官に本来あなたが持っている評価対象となる経験を伝えることが困難なわけです。
3. 年齢を考慮していない
公務員試験では、社会人経験者の受験枠の年齢が拡大しています。
例えば、35歳まで、40歳、50歳というように、自治体によって年齢上限が異なります。27歳の受験者と40歳の受験者に求められるものは異なるため、受験者自身の年齢を考慮した準備が必要です。特に年齢が異なると、求められる経験やスキルが変わってくるため、自分の年齢に合わせた適切な対応が求められます。
結論として、公務員試験の面接では、自己アピールだけでなく、志望先の深い理解、具体的な経験の伝達、そして自身の年齢に合った準備が必要です。これらの要素を踏まえた準備をすることで、面接官に適切な印象を与え、採用の可能性を高めることができます。
合格レベルに引き上げる面接答練
100%を引き出すための妥協のない取り組み
面接の答えを用意することは、彫刻家が原石から美しい彫像を創り出す作業に似ています。絶対的な「正解」というものは存在しないけれど、あなたの中に隠れた最適な答え、あなたらしい魅力的な回答が確かに存在します。
エンノシタは、その隠れた魅力を引き出すための惜しみない支援を提供します。
面談によって対話しながら、これまでの経験やそこから培われた強み、考えの中から面接官に評価される要素を取り出し、ロスなく回答に反映させていきます。
面接で聞かれるあらゆる質問に対応
回答の練り上げ(ブラッシュアップ)は受験者が苦手とする「志望動機」や「どのような職員になりたいか」といった質問はもちろんのこと、面接で聞かれるあらゆる質問に対応可能。
実践トレーニング音声
徹底的な準備と柔軟な対応を同時に実現する
どれだけ素晴らしい回答を練り上げたとしても、やはりそれを言葉として面接官に届けなければ評価に至りません。
つまり、あなたの経験や能力、適性を伝えるためには「発声練習」が欠かせないのです。
そこで、エンノシタでは面接で聞かれる頻出質問 約50種を中心としたトレーニング音声を提供しています。3倍速の想定質問に準拠した構成をとることで、相乗効果が期待できるだけでなく、類似質問も同時にカバーしていきます。
一問一答ではなく、様々な質問に柔軟に対応できるよう支援するための心強い味方。受講者からも高い評価をいただいています。
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