
「その転職理由、損していませんか?」今すぐ見直したい6つの落とし穴
― 公務員試験|社会人経験者・中途採用向け ―
はじめに
「退職理由・転職理由をどう伝えるか?」
これは、公務員試験の面接で社会人経験者が最も悩むテーマのひとつです。
真剣に答えているつもりでも、実は面接官に「また同じことで辞めそう」と思われてしまうケースが少なくありません。
その理由は、損するフレーズを無自覚に使っているからです。
この記事では、動画で紹介した「損する転職理由20個」を整理し、6つのグループに分けて解説します。
自分の転職理由が当てはまらないか、ぜひチェックしてください。
関係や職場環境に依存した理由

「上司と合わなかった」
最も多く聞かれるフレーズですが、面接官にとっては危険信号です。
どんな職場にも上司は存在し、価値観や考え方の違いは必ず生じます。そこで「合わなかった」と語ると、「この人は人間関係の不一致を理由に環境から逃げるタイプではないか」と疑われます。特に公務員の職場は年齢も経歴も多様な人が混ざるため、適応力が欠かせません。この一言で「柔軟性が不足している」と判断されかねません。
「職場の雰囲気が悪かった」
一見わかりやすそうに聞こえますが、「雰囲気」という言葉は非常に曖昧です。採用側は「具体的にどんな問題があったのか? その中で自分はどう行動したのか?」を知りたいのに、それをぼかして「雰囲気」と表現してしまうと、「根拠のない不満で辞めたのか」と受け取られてしまいます。結果として、信頼感を損なうのです。
👉 まとめ
人や環境を直接の理由にすると、面接官の目には「次も同じ理由で辞めるのでは?」と映ります。柔軟性や主体性を疑われるため、要注意です。
💬 類似フレーズ
- 評価制度に不満があった
- セクハラ・パワハラを受けた
自分本位に聞こえるポジティブ理由

「成長したい」「スキルアップ」
ポジティブに見える言葉ですが、面接官は「成長は社会人なら当然」と考えています。そこを理由に転職すると、「自分の成長だけを優先している」と見られ、自己都合色が強まります。「スキルアップしたい」と語っても、採用側は「ここは研修機関ではない」と感じやすいのです。
「やりがいを求めて」
やりがいは大切ですが、これを前面に出すと「組織はあなたにやりがいを与えるために存在しているのか?」という逆の視点を持たれます。やりがいは結果として得られるものであり、それを転職の理由にすると「他力本願」「環境依存」と判断されがちです。
👉 まとめ
前向きな言葉でも、組織との接続が弱いと「自分本位」と受け止められます。採用側は「組織にどう貢献できるか」を知りたいのです。
💬 類似フレーズ
- スケールの大きな仕事がしたい
- 夢を追いたい
感覚的で曖昧な理由

「違和感を覚えた」
これは典型的な“感覚論”です。違和感とは何か? が言語化されていなければ、「この人は直感で辞めるタイプなのか」と誤解されます。採用側からすると、また同じように曖昧な理由で離職するのではないかという不安を抱かせる一言です。
「合わなかった」
「仕事内容に合わなかった」「職場に合わなかった」といった言い回しも同様です。どんな環境にも合わない部分はありますし、それをどう克服したかが重要です。にもかかわらず「合わない」で片付けると、「課題を言語化できず、改善努力もしない人」と映ります。
👉 まとめ
感覚的な表現は論理性を欠き、説得力を持ちません。採用側は「自分の判断基準を言葉にできるか」を重視しているのです。
💬 類似フレーズ
- 雰囲気が悪かった
- 納得できなかった
受け身・他責に聞こえる理由

「家族や知人に勧められて」
第三者の意見を尊重する姿勢は良いですが、これをそのまま転職理由にすると「他人任せ」「主体性がない」と見られます。採用側は「この人は自分で判断してキャリアを築けるのか?」と疑念を持ちます。
「残業代が出なかった」
確かに不満の一因にはなり得ますが、それをそのまま語ると「待遇にしか関心がない人」と見られます。しかも、公務員の世界でも必ずしも100%残業代が出るわけではありません。採用側からすると「制度や環境のせいにするタイプでは?」というマイナス評価につながります。
👉 まとめ
他人や環境に理由を求めると、「主体性不足」と見られます。面接官は「この人が自分の意思で決断してきたか」を見ています。
💬 類似フレーズ
- 人事評価に不満
- 年齢を理由にする
不安や限界を理由にするパターン

「今の仕事に限界を感じた」
現職での可能性が広がらなかったことを語る人は多いですが、「限界」という言葉にはネガティブな響きがあります。採用側は「挑戦する前に諦めたのでは?」と受け取りかねません。
「将来が不安になった」
不安は誰にでもありますが、それを理由にすると「リスク回避型で逃げの姿勢」と見られます。公務員の安定性を狙っているだけでは? という誤解を招く一言です。
👉 まとめ
「限界」「不安」といった言葉は、主体的なキャリア形成ではなく“消極的な逃避”に聞こえます。面接官は「この人は前を向いて挑戦する人か」を重視するため、要注意です。
💬 類似フレーズ
- 先行き不安
- 今の仕事では〇〇しかできない
抽象的で中身がない理由

「社会貢献がしたい」
誰もが耳障りよく感じる言葉ですが、抽象的すぎて「どこでも言える理由」に聞こえます。採用側は「あなたはどのように社会貢献するのか?」を知りたいのに、その中身が示されないと評価されません。
「経験を活かしたい」
これもよくある表現ですが、「活かす」と言うだけでは具体性がありません。なぜ現職では活かせなかったのか、どのように公務員として活かすのか、説明できなければ「説得力に欠ける」と判断されます。
👉 まとめ
抽象的なフレーズは、回答の中身を伴わなければ逆効果です。面接官は「実態に即して具体的に語れるか」を常にチェックしています。
💬 類似フレーズ
- 持続可能なまちづくり
- 多い・少ないといった曖昧表現
あとがき|講師・山戸宏晃より

私はこれまで、1,000人以上の社会人経験者の面接指導をしてきました。
その中で痛感するのは、合否を分けるのは「努力の量」ではなく「努力の質」だということです。
多くの社会人経験者は、必死に努力しています。
しかし、方向がずれていたり、言葉の選び方ひとつで誤解を招いてしまったりすると、その努力が成果に結びつかないのです。
今回紹介した「損する転職理由」も、まさにその典型です。
ほんの数語の違いで、「自分本位に見える」「曖昧に聞こえる」といった印象を与えてしまう。逆に言えば、言葉を整えるだけで、本来の努力や経験が正しく伝わり、合否を分ける決定打になることも少なくありません。
――だからこそ、大切なのは「正しい方向での準備」です。
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