公務員試験の最終面接が目前に迫ると、不安や緊張から「もっと準備しなきゃ!」と焦る気持ちが湧いてくるものです。特に、模擬面接を活用しようとする方も多いでしょう。
しかし、その「最後のひと押し」が原因で思わぬ結果に繋がり、最悪の場合「落ちる」可能性が高まることがあります。
この記事では、公務員試験の最終面接を成功に導くため、直前にやってはいけない「面接対策ワースト3」を解説します。焦る気持ちを抑え、これまでの努力を信じて本番に臨むためのヒントをお伝えします。
「模擬面接」や「直前対策」に潜む落とし穴を知り、不安を成功に変える準備を始めましょう!
前日に模擬面接を受ける
面接直前に「最終チェックをしたい」という気持ちで模擬面接を受けるのは、一見良い準備に思えるかもしれません。
しかし、前日の模擬面接にはメリットよりもデメリットの方が多く、むしろ不安を煽る結果になりがちです。また、模擬面接を担当する指導者には「何かフィードバックしなくては」という心理が常に働いており、「あなたは完璧です」といったフィードバックがされることは極めてまれなこととなります。
そうした背景から、何らかの指摘やフィードバックがあり、これが悲劇を生むこともあります。この章では、そのリスクを2点挙げたいと思います。
致命的な点に対する指摘は、1日で改善が難しい
前日の模擬面接で重大な欠点を指摘された場合、対処する時間が極端に限られており、焦りと混乱を招きやすいです。
たとえば、回答内容や態度に大きな問題があった場合、それを修正するには十分な時間が必要です。
しかし、前日の段階でこのような問題が発覚している時点で、そもそも準備が不十分と言わざるを得ません。本番で成果を発揮するには、焦るのではなく「自分を信じて送り出す」といったメンタル面での安定も大切になります。
したがって、致命的な懸念を指摘されている時点で、準備不足と言わざるを得ず、これは模擬面接を受けるかどうかにかかわりなく、それまでのプロセスに問題があるということです。
軽微な点の指摘は、むしろ不安を生む
模擬面接官は「何もフィードバックしない」わけにはいかず、些細なポイントにも目を向けがちです。
たとえば、声の抑揚や目線、手の動きなど、結果に大きな影響を与えない細部が指摘されると、受ける側としては「直さなければ」と気になり、余計なプレッシャーを抱えます。
これらは合否に影響しないことがほとんどであり、不安を抱えるよりもこれまでの準備を振り返るとともに、反復することで「このままの自分で大丈夫」と信じて臨む方が良い結果を生むことが多いのです。
対処法
基本的に、前日に模擬面接は避けるべきです。 どうしても実施する場合は、以下の点を基準にフィードバック内容を選別することが重要です。
- 改善の実現性:指摘された点を1日で修正できるか。
- 改善の効果:その修正が結果にどの程度影響するか。
- 平常心を保つ効果:敢えて指摘せず、不安を抱えさせない方が良い場合もある。
模擬面接は練習として有効な手段ではありますが、それは適切なタイミングで行う場合に限られます。本番直前に新たな課題を見つけるよりも、これまでの準備を振り返り、自信を持って臨むことの方が重要です。
私自身、指導者としてこうした点には細心の注意を払っています。
回答内容を変える
前日に「もっと良い答え方を思いついた!」と思っても、面接直前に回答内容を大幅に変更するのは危険です。
これは、まるで試合の前日に新しいフォームを試そうとするアスリートのようなものです。答える内容は、脳内の記憶(メモリ)と実際の話し方(運動)が連動して初めて自然にアウトプットされます。
この章では、回答内容を直前で変えることがどのようなリスクをもたらすのか、そしてどのように対応すべきかを考察します。
記憶と運動が連動するには時間がかかる
回答内容を頭に記憶するだけでは十分ではありません。実際に声に出して話すことで、その内容が自分のものとして体に馴染みます。
しかし、前日に回答を大幅に変えてしまうと、記憶と話す動作が一致せず、本番でフリーズしたり、修正前の内容と混同してしまったりするリスクがあります。これは緊張感が高まる場では特に顕著になりやすく、結果的に準備不足の印象を与えかねません。
変更するならニュアンス程度に留める
どうしても回答内容を修正したい場合は、大幅な変更は避け、ニュアンス程度に留めるべきです。
たとえば、「努力家です」という言い方を「目標に向けて着実に進むタイプです」と変えるような、小さな変更です。この程度の修正であれば、本番前に10回程度練習すれば自然な話し方が身につきます。それ以上の大きな変更を前日に行うのは、混乱を招くだけです。
備考
回答内容を前日に変える必要がある場合、それはこれまでの準備プロセスに問題があった可能性があります。第一章で述べたように、面接の準備は早い段階から始めることが重要です。回答内容を何度も見直し、事前に修正を終えておくことで、面接直前の不安や焦りを最小限に抑えることができます。
面接前日には「ここまで準備した自分を信じよう」と思える状態にしておくことが理想です。直前の変更は避け、これまで準備してきた回答を繰り返し練習することで、当日のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
3.SNSをチェックする(ネガティブ情報に触れる)
面接直前になると、少しでも安心したい気持ちからX(旧Twitter)やブログをチェックする受験者が少なくありません。
しかし、検索で上位に出てくるのは、否定的で不安を煽るような情報が多い傾向があります。これに触れることで、かえって焦りや不安が助長され、第一章や第二章で述べたような逆効果の行動に駆られてしまう可能性が高まります。
この章では、SNSチェックが持つリスクと、その背景について解説します。
ネガティブ情報にさらされやすい背景
SNSやブログでネガティブ情報が目立つ理由は、アルゴリズムの仕組みにあります。アルゴリズムは人々の心理を利用し、感情を強く揺さぶる情報を優先的に表示する性質があります。特に「失敗談」や「NG回答」といった否定的な情報は注目を集めやすく、受験者にとっては目につきやすい環境が作られてしまいます。
さらに、本番が近づくほど、受験者自身も不安を抱えやすくなります。この心理状態でネガティブ情報に触れると、その影響を必要以上に受けてしまい、冷静さを失ってしまうのです。
そうしたネガティブ情報に触れてしまった場合のリスクは大きく2つあります。
無用な言動の萎縮を招く
ネガティブな情報に触れると、「こうしないようにしよう」といった否定的な意識が強まります。たとえば、「この回答はNGだ」「この行動はダメだ」といった情報を見た結果、自信を持って回答するはずの場面で萎縮してしまい、普段の自分らしさを発揮できなくなる可能性があります。
具体例で考える:絵を描くときの色選びの例
「絵を描くときに赤色は使ってはいけない」とだけ言われたら、何を使うべきかわからず迷ってしまいます。面接でも同じで、「これを言ってはいけない」とばかり意識してしまうと、代わりに何を話せば良いのか分からなくなり、表現が不自然になる危険性があります。否定形の思考に囚われると、結果的に面接のパフォーマンスが低下してしまうのです。
対処法
SNSやブログは、面接直前には見ないのが最善です。それまでに必要な情報収集を済ませ、自分自身の準備に集中しましょう。特に前日は「これまでやってきた自分を信じる」ことが重要です。他人の失敗談ではなく、自分の強みや成功体験を振り返ることで、前向きな気持ちで本番に臨む準備が整います。
SNSは情報収集には役立つツールですが、使うタイミングを誤ると不安を煽る材料にもなります。本番直前の焦りから、情報に振り回されないよう、冷静に自分を保つことが大切です。
最後の24時間で本当にやるべきこと
面接直前の24時間は、準備の最終段階でありながら、焦りや不安から逆効果な行動をとりがちです。
「前日に模擬面接を受ける」 はフィードバックによる不安を招き、 「回答内容を変える」 は記憶と運動の同期を乱す危険があります。さらに、 「SNSでネガティブ情報をチェックする」 ことは、萎縮や焦りを生む原因になります。
本番直前には新たな行動を避け、これまでの準備を信じ、自信を持って臨むことが重要です。冷静さを保つことで、最大限のパフォーマンスを発揮できるでしょう。
まとめ
ここまでお読みいただいたあなたに、少し意外なことをお伝えします。
実はこの記事自体が、ある意味で「ネガティブ情報」に該当します。「失敗する面接対策ワースト3」というタイトルの通り、不安や焦りを感じさせる要素が含まれているからです。しかし、この情報をお伝えした本当の目的は、面接直前にこうした状況に陥らないように、早めの準備を促すことにあります。
面接の準備は直前の24時間で完成させるものではなく、もっと前の段階から積み上げてきた努力の集大成です。この記事は、最終段階での「やってはいけないこと」をお伝えすることで、そうした状態を避けるために、できるだけ早期に面接の準備を開始し、実力が発揮される状態を目指すことを促すことにあります。
面接本番前の最後の24時間で重要なのは、「これまで準備してきたことを信じること」です。この記事を読んで、「準備不足かもしれない」と感じた方は、まだ間に合います。この記事をきっかけに、今すべきことに集中し、直前ではなく、数日前から「大丈夫」と思える状態を作ってください。
応援しています!
それでは面接いってらっしゃい!
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