練習なしで大丈夫!? -公務員試験の集団討論で使える5つのフレーズ-

公務員試験の大きな壁の一つが、集団討論です。

しかし、社会人の皆さんにはビジネスシーンでの会議など、討論の疑似体験が豊富にあります。「練習なしで大丈夫!?公務員試験の集団討論で使える5つのフレーズ」では、集団討論の本質とその進行、さらには効果的なフレーズの使用方法について詳しく解説します。これらの知識を活用すれば、特別な練習をしなくても自己表現が可能に。試験に対する不安を解消し、自身の意見を自信を持って伝えられるようになりましょう。

公務員試験の集団討論に挑むあなたを全力でサポートします。

集団討論とは？

集団討論とは、特定のテーマについて複数の人が意見を交換し、問題解決を試みる活動です。個々の視点や考え方を共有することで、より良い解決策を見つけることを目指します。

公務員試験の口述試験における集団討論では、個々の受験者の思考力、表現力、理解力、そして他者と協力して問題を解決する能力が評価の対象となります。これによって、受験者の多角的な思考力やコミュニケーション能力、リーダーシップ、チームワークなどが見られます。

一般的な集団討論の形式は以下の通りです。

１．テーマの設定

討論するテーマや問題が採点官から明示されます。

２．意見の提出

各参加者は自己の立場や意見を提出します。

３．議論

各参加者の意見を比較、検討し、それぞれの意見について深く掘り下げます。

４．結論の形成

全員が納得できる結論や解決策を見つけ出します。

公務員試験における集団討論では、通常、5〜6人の受験者が一つのグループを形成します。討論のテーマは事前に与えられ、討論時間は約30分とされています。その間に参加者は各自の意見を発表し、他者の意見を理解し、共同で問題解決に取り組みます。

このような形式は、受験者が集団の中で意見を表現し、他者と協働する機会を提供します。これにより、一人ひとりの能力を総合的に判断することが可能になります。

集団討論で求められるスキル

ここで紹介するスキルは公務員試験の集団討論において直接的な評価項目ではありません。

しかし、これらを磨くことにより、討論をスムーズに進めることが可能となり、結果的には評価者の目に良い印象を残すことができます。論理的思考力、コミュニケーション能力、そしてチームワーク―これらは、あらゆる面接、討論で求められる能力であり、公務員試験だけでなく、一生使えるスキルです。だからこそ、これらのスキルを身につけることは、集団討論の成功の鍵となります。

論理的思考力

集団討論では、自分の意見を明確に伝えるためには論理的な思考が必要となります。自分の主張を組織立てて伝え、他者の意見に対して建設的に自身の意見を伝える能力は評価されます。また、他者の意見を理解し、それに対する自分の立場を明確にすることも大切です。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、集団討論では非常に重要なスキルとなります。自分の意見を効果的に伝える表現力、他者の意見を聞き、理解し、尊重するリスニング力、そして全体の流れを読み取り、適切なタイミングで発言する感受性が求められます。

チームワーク

集団討論は、個人の力だけではなく、チーム全体で問題を解決するための活動です。だからこそ、他者と協力して作業を進めるチームワークが必要となります。他者の意見を尊重し、適切な反応を示すことで、全体の調和と進行を保つことが求められます。

練習なしで大丈夫!?

公務員試験の集団討論は、練習を必要とする一方で、その核心は「意見の交換」であり、「共通の目標に向かって解決策を見つける」という点です。この観点から見ると、社会人であれば、仕事での会議やプロジェクトの経験を活かすことができます。

そもそも集団討論とは、多様な視点から問題を考え、最適な解決策を見つけ出すための議論です。これは、ビジネスの現場で行われる会議の本質と大差ありません。公務員試験での集団討論は、実質的には公務員としての業務を想定した会議の疑似体験と言えるでしょう。

したがって、ビジネスの現場での会議経験がある社会人は、それを活かすことで、他の受験者よりも一歩リードする可能性があります。自身が持つ経験を通じて、意見の交換、問題解決、コミュニケーションといったスキルを既に身につけているからです。

もちろん、公務員試験の集団討論は練習するに越したことはありません。しかし、社会人としての経験が評価される場であることを理解し、自身が持つ経験やスキルを最大限に活用して臨むことが求められています。具体的なフレーズを覚えるだけでなく、これまでの経験を活かす意識を持つことが、集団討論での成功に繋がるでしょう。

集団討論で使える5つのフレーズ

フレーズ1：「～させていただいてよろしいでしょうか？」

公務員試験の集団討論で、特に役割分担を決める際に有効なフレーズです。例えば、

私が司会をさせていただいてよろしいでしょうか？

私が書記を担当させていただいてよろしいでしょうか？

といった形で使用します。
なぜこのフレーズが有効かというと、それは集団討論で求められる協調性や積極性、そしてリーダーシップを同時に示すことができるからです。

まず、このフレーズは自分から進んで役割を引き受ける意欲を示すため、積極性を評価する視点でプラスになります。また、他の参加者の同意を求める形式を取ることで協調性も同時に示すことができます。

フレーズ2：「～してみてはいかがでしょうか」

議論の初期段階で効果的なフレーズです。たとえば、

私たちの議題は◯◯ですので、まずは問題点を各自が感じているものから挙げてみてはいかがでしょうか

と提案することで、全体の流れを整理しやすくします。

このフレーズは「提案力」を示すための一つの方法です。例えるなら、集団討論という部屋の中で灯りをつけるようなもので、明確な方向性を示すことで、まだ何も始まっていない段階から議論を効率的に進めることが可能になります。

また、このフレーズが評価につながる理由は、初めての集まりで各々がどこから話し始めてよいか戸惑うことが多い中で、提案を通じて議論の進行を手助けすることができるからです。これは参加者間のコミュニケーションを円滑にし、集団の一員としての協調性やリーダーシップを示すことができます。さらに、討論の方向性を示すことで、論点を明確化し、深い議論を促進することができるため、問題解決能力もアピールできます。

フレーズ3：「～ということでよろしいでしょうか」

こちらのフレーズは、相手の意見が不明瞭だったり、分かりづらかった時に非常に有効です。議論は船のようなもので、全員が同じ目的地に向かって進む必要があります。しかし、ある人の意見がはっきりしない場合、それはまるで船が迷走してしまうようなもの。

その時、

〇〇さんの意見は、地域活性化のためには住民を巻き込む必要があるということでよろしいでしょうか

と確認することで、まるで舵取りのような役割を果たします。このフレーズで相手の意見を整理し、全員が理解できる形にすることで、船=議論を再び目的地へ向かわせることができます。

さらに、このフレーズが評価に繋がる理由は、まず一つにはコミュニケーションスキルの一環として、他人の発言をきちんと理解し、それを更に明確にするという能力を評価者に示せるからです。また、他のメンバーが理解しやすいように整理し直すことは、議論全体の流れをスムーズに進める役割も果たします。これは協調性とリーダーシップの両方を示す行為であり、集団討論では重要な評価ポイントとなります。

フレーズ4：「そろそろ～しませんか？」

このフレーズは、時間が押してきた場合や議論が脱線していると感じたときに特に効果的です。

そろそろ決定をしませんか？

といった具体的なアクションを提案することで、議論の方向性を示し、集中を再び本題に戻すことができます。

具体的な状況を想像してみましょう。討論が進行中で、議論が主題から逸れ、時間も押しているとき、これ以上深堀りをしていては目的を達成できません。そんなとき、「そろそろ決定をしませんか？」と提案すれば、一同の注目は再び本題に集まり、議論が再び進むきっかけを作ることができます。

このフレーズを使用することで、評価者に対して自身が時間管理能力を持っていること、また議論の進行に対する配慮があることをアピールすることができます。また、他者を尊重する立場から建設的な提案をすることは、協調性とリーダーシップの両方を同時に示す行為であり、評価者に高く評価される要素となるでしょう。

フレーズ5：「ちなみに、私は～だと思います」

このフレーズは、相手の意見を尊重しながらも自身の視点を巧みに挿入するのに適しています。「ちなみに、私は～だと思います」はあなたが自身の意見を伝えるための慎重な手法であり、他者の意見を否定することなく議論を広げるための効果的なフレーズです。

例えば、討論の中で、ある受験生が「観光地化による地元の雇用創出が最も重要だ」と主張しているとします。しかし、あなたはそれに対して、「地元の文化保護」の視点を取り入れたいと思った場合、

それは大変重要な視点ですね。ちなみに、私は地元の文化保護も考慮する必要があると思います

と述べることで、自身の意見を尊重しながら新たな視点を議論に追加できます。

このフレーズの魅力は、あなたが異なる視点をもつことを認め、他の人の考えを尊重しながらも、自分の意見を尊重することができるという点にあります。これは、公務員として求められる多面的な視点を持つ能力を示すことができるため、評価者に高評価を得られる可能性があります

集団討論で成功するために

公務員試験の集団討論は、課題への理解と分析力、それぞれの意見を尊重しながら討論をリードする能力、そして協力して解決策を見つける力が求められます。これらの力は、独自のフレーズを用いるだけでなく、効果的にフレーズを活用するためのコツを練習することで磨き上げることができます。

まず、上記のフレーズを自然に使えるようになるためには、日常生活での実践が効果的です。会議やグループディスカッションでこれらのフレーズを積極的に用いることで、フレーズの使い方やタイミングを身につけることができます。そして、そのフレーズが他人にどのような影響を与えるかを観察することで、より効果的な使い方を学びます。

次に、フレーズを役立てるためには、自分の意見を明確に持つことが重要です。自分の考えを言葉にするためには、問題を深く理解し、それについて十分に考える必要があります。そして、自分の意見を他人と共有するためには、相手の立場や視点を尊重する姿勢が必要となります。

最も大切なのは議論に貢献すること

公務員試験の集団討論でよく見られる誤解は、自分をアピールし、目立つことが成功の鍵だというものです。しかし、本質的な目標はあくまで集団全体としての問題解決という目的に対して、どれだけ貢献できるかにあります。そしてそのために必要なのは、自分の考えを主張するだけでなく、他者の意見を理解し、共感し、それを取り入れて議論を進める力、すなわち”GIVE”する力です。

この”GIVE”という概念は、他者の視点を尊重し、対話を通じて理解を深め、議論を有意義に進めるための重要な原則です。自分の立場を確保するだけではなく、他者の意見に耳を傾け、理解し、尊重することで、集団討論は真の意味で深まります。また、自身の意見を言う時には、他者がどう感じるかを思いやりながら、謙虚さと自信を持つことが大切です。

最後に、どんな場面でも自信を失わないでください。

自分の声が小さくとも、それは議論を豊かにし、集団の進歩に寄与する一部です。フレーズは道具であり、その使い方はあなた次第です。心から相手を尊重し、自分の意見を誠実に伝えることで、必ず議諔は前に進みます。あなたは公務員試験の集団討論に向けて、十分な準備ができています。

これからの挑戦、あなたの成功を心から応援しています。